こんにちは、出張専用鍵屋KOロック「ケーオーロック」です!
ここのところ家庭用金庫のダイヤル解錠案件が続くなーと思っていたら、とんでもない大型業務用金庫の案件が舞い込んできました。
今回はそんな開かずの金庫(業務用編)の紹介です✍
業務用金庫の成約率は90%以上
鍵はあるのですが、ダイヤル番号が分からず開けることが出来ません。高さは2mほどで本宮金庫工業ってメーカーのようです。
場所は◯◯市になるのですが、お願いした場合はいくら掛かりますでしょうか?
お客様の口から【100万変換ダイヤル】の単語が出たということは、既に他の鍵屋様が現場に来られた可能性大!そして恐らく破壊解錠で提案したのだろうと推測します。
過去の経験を踏まえて80%以上は壊さずに開けられると思いますが、残り20%は壊さないと開けられません。
費用については、壊さない手探り解錠で開いた場合、◯◯市への出張費を含めた総額¥53,000円+税(料金改定前の安い時)です。
一旦検討になりましたが、弊社の場合、業務用金庫の見積もりをした際の成約率が90%以上。手探り解錠の技術面でも見積もり金額の面でも、業務用金庫においては大手に負けない自信があります!
そして約5分後に今回も戻ってきました👍できれば今から対応して欲しいってことでしたので、イメトレしながらビュンと現場へ向かいます!
鳥肌レベルの超大型金庫
現場に到着し、実際の金庫を見て鳥肌が立ちました。威圧感(覇気)がすごいのなんのって!
ワンピースでいう四皇レベル。
ドドドン!!
いつもブログの読み易さを考えて横向きで写真を撮るのですが、あまりに大きすぎて縦向きじゃないと画角に収まらないという💦
前回のブログでKOロック10周年と書きましたが、このレベルの金庫は10年やってもそうそう巡り合えません。こんな貴重な金庫を生で見れるなんて興奮が止まらないですわ…
ちなみにこちらの金庫、扉を開けた奥にも柵(鍵付き)のような扉がある2重構造。
過去に古いお寺に設置されていた蔵タイプの金庫(100万変換ダイヤル錠が3つ)も扉の奥に鍵付きの柵があったのですが、こういった蔵タイプの金庫は今の日本では希少です。
尚、メーカーは【本宮金庫工業株式会社様】とのことでしたが、後日調べても一切の情報が出てきませんでした。調べ方が悪いのかもしれませんが。
お客様の情報では既に廃業されたとのことでしたが、こんな立派な金庫を作って下さり感謝です。
ひょっとこ錠と100万変換ダイヤル錠
今回の金庫は鍵穴(シリンダー)とダイヤルがそれぞれ設置されていたのですが、鍵穴はこれまた希少な【ひょっとこ錠】が使われていました。
江戸時代に考案されたひょっとこ錠
【ひょっとこ錠】は、江戸時代に考案され、明治時代に製造された金庫によく使わた錠前です。
今回のお客様はひょっとこ錠の鍵を持っていらっしゃったため作業することなく終わったのですが、個人的にはこのひょっとこ錠の方が情報が無さすぎて開けられるか不安です💦ピッキングレベルも難易度MAXと聞きますし💦
ただし、鍵のパターンが少ない関係で他のひょっとこ錠の鍵で開いてしまうことがあるとか無いとか👀
100万変換ダイヤル錠
今回僕が開けに来たのはこの【100万変換ダイヤル錠】!名前の通り、100万分の1でダイヤル番号を揃えれば開きます。
ダイヤル表面には【★STAR★】の文字が入っていました。
手探りによるダイヤル解錠作業
金庫が凄すぎて本題に入るまで長くなってしまいましたが、ここからようやく作業についてです!
作業内容は00〜99までの数字の中から3つを探す旅。
最後の4つ目の数字はメーカー問わず基本的に〈8〉前後で、手前3つの数字が正解していれば自動的に『カチャッ』とダイヤルが止まります。
定番のルーティンと音で当たりを探す
防犯上の都合から詳しい方法は書けませんが、個人的なルーティンを一通り試したところ早速反応がありました。念のため最近使っている聴診器で音も確認しましたが間違いなさそう!
僕『お客様!1つの数字が判明したので、そう時間掛からずに開けられると思います!』
そこからはトントンっと残り2つの番号を解読し、あっと言う間に解錠ー♪といけたら最高だったのですが、実際はそうもいかず1つ目以降は反応がほぼ無い💦
別の手探り方法で番号解読
いつもの方法で反応があった番号付近を試しますが開かないため、ちょいと時間が掛かるプランB作戦に切り替えます。
こちらも割と反応が早く来たのですが、最初反応があった数字と全然違う…
何だか金庫に弄ばれてるかのような感覚ですが、年代物のせいだからだろうと思いそのまま続行!すると複数の数字で反応が起き始めました💦
どの数字が正解でどの数字がダミーか分からないため、全パターンを総当たりで試すことに。時間は掛かりますが堅実に開けにいきます。
が、反応のあった数字で総当たりするも開かない!ここまで到着から約2時間。
目が回って頭痛が酷くなってきたため、一旦作業車に薬を飲みに行きつつちょい休憩。
ハンドルが重要
休憩後はどこかにとっかかりが無いか金庫のいろんなとこを触ります。ベタベタとごめんない💦
しかし、船の舵を切るハンドルみたいなのを触りながらダイヤルを回したら思わぬ現象が。
2時間試して出た反応全てが嘘のように完全に消えました。まさかのダイヤルを壊した?外れた?と一瞬焦りますが、手で回して壊れる金庫ダイヤルなんてありません。
そのままいろいろ調べたら原因が分かりました。
最終的にデッドボルト(閂)を引っ込ませるために回すハンドル部分ですが、重すぎるのと形状の影響なのか触らなくても常にテンションが掛かった状態になっていたのです。
そしてテンションが掛かった状態で出た反応は僕のやり方では通用しない。
よって全てが振り出しに😭この特殊な形状をしたハンドルにもっと違和感を持つべきでした…
いつものルーティンでやり直し
今度はテンションに力が加わらないようにしつつ、最初からいつものルーティンで当たりを探っていきます。
しかし約30分ほど掛けて全パターンを試すもこれといった反応は起きず。
これ実は1億変換なんじゃ無かろうかと疑いたくなりますが、それで1億変換だったことが過去に無いので単純に難しいだけでしょう…
参りました。最終奥義【お友達】を出す時がきました。
お友達で番号を読み取る
業務用金庫の100万変換ダイヤルの探り解錠で使う最終奥義【お友達】ですが、実は今まで誰にも話したことがない僕の秘密技術。
そのやり方を特別に紹介しましょう。しかし引くのは禁止です。
そのやり方とは、「金庫と友達になってひたすら金庫に話しかけながらダイヤル番号を探る」です。
厨二病の僕だからこそ成せる技でもあり、努力しても身に付かないし信じない人には一生できない技術なのです。
ただ厨二病とは言え恥ずかしさは持ち合わせているため、お客様に聞かれないよう心の中で金庫に向かって話しかけます。
話してる内容を書いたら嫁に引かれるから止めなさいと怒られました💦よってこの部分だけ消しました。
とまあそんなこんなで話しかけながらルーティンを繰り返していたら、複数ヶ所に当たりのような当たりでもないような気になる感覚が指に伝わりました。
いつもならあまりにも反応が薄すぎて、正解の数字とは無関係だろうと間違いなく飛ばすところですが、この時は金庫が必死に情報を教えてくれたと信じて疑いません。
これこそが厨二病の極意。
ということで一旦その複数の番号のどれかが正解だと仮定し、残りを総当たりでクルクル回していたら突然『カチャッ!』
多くの金庫は正解が近付くと何かしらの反応が強くなるものですが、今回は何の反応も前触れもなく急に『カチャ!』と開きました。
これが【お友達】の真骨頂!金庫ありがとう😉
壊すこと無く開錠に成功
現場到着から約3時間半も掛かってしまいましたが、無事に開かずの金庫を壊さずに開けることができました😁
いやーもう正直無理かと思いました。けどこの難易度MAXレベルの金庫を開けたことで達成感が半端ない!!
ちなみに開いた瞬間、どこからともなく大家族が現れて皆様お礼と祝福の言葉をたくさん掛けてくれました。
当初の予定より時間掛けてしまったのにとても優しい💦飲み物や食べ物の差し入れと本当にありがとうございました😭
今後の仕事の協力になるならと、金庫の写真もたくさん撮らせて下さいました🙇
壊さないダイヤル解錠に対応している業者は少ない
今回3番手で対応させて頂いたわけですが、1番手と2番手の鍵屋様は手探り解錠に対応していないとのことでした。ちなみに2番手の鍵屋様は破壊解錠で¥20万円のお見積もりだったと。
実はこれ今回がたまたまでは無く、業務用金庫のダイヤル解錠では弊社にとってむしろあるある。
ホームページに何でも開けます!¥◯千円〜と書いてあっても、実際はデタラメであることが殆どです。業務用金庫で使われている100万変換ダイヤルを壊すことなく解錠できる鍵業者はそこまで多くありません。
また依頼する業者によって費用が何倍も変わるため、電話で数社見積もりすることをお勧めします。
オートダイヤラーか手探り解錠技術
業務用金庫の100万変換ダイヤルを壊すことなく解錠する方法は主に2通り。
- オートダイヤラーを使う
- 手探り解錠の技術を使う
オートダイヤラーを使用
オートダイヤラーとは、金庫のダイヤルを解錠するための専用機械。何時間も掛けて全ての総当たりを機械がオートで試すため、壊すことなく開けられる可能性が高いです。
しかし、鍵屋が持つ道具の中でも非常に高価な機械のため費用もそれなりにします。詳しくはオートダイヤラーを所持している鍵屋様に直接確認して頂きますようお願い申し上げます。
※弊社はオートダイヤラーを持っておりません。
手探り解錠の技術を使用
手探り解錠の技術とは、文字通り手に伝わる感覚や音を頼りにダイヤル番号を探って解錠する技術を指します。
技術力は会社や個人によってそれぞれ異なり、開けられるかどうかは作業する人によって異なります。
小川は100万変換ダイヤルの手探りにおいてはそれなりに経験と実績があり、日本一の解錠率を本気で目指しています。
費用・作業時間・対応エリア
以下は弊社に直接ご依頼頂いた場合の費用やエリアです。他社様と相見積もり取る際の参考にして頂ければと思います。
業務用金庫の作業料金
●出張費や夜間料金
柏市&流山市:¥0円
上記以外のエリア:弊社(千葉県柏市西原)から片道1kmにつき¥100円+税
夜間料金(21時以降):別途¥5,000円+税
●作業料金:鍵穴「シリンダー」の解錠
ギザギザの刻みキー:¥1万円+税
ディンプルキー:¥1万5千円+税
棒鍵:¥1万5千円+税
KISキー:¥1万5千円+税
●作業料金:100万変換ダイヤル錠(今回のタイプ)
手探り解錠:¥6万円+税
破壊解錠:¥7万円+税
●作業料金:1億変換ダイヤル錠
手探り解錠:対応不可
破壊解錠:¥7万円+税
※出張エリア・夜間早朝で費用に幅があるため、確定金額は電話にてご確認下さい。
作業時間
鍵穴「シリンダー」の解錠に掛かる時間は基本的に約5分〜20分ほどですが、ダイヤルの解錠に関しては事前に時間を読むことが出来ません。
今までの経験上にはなりますが、破壊解錠の場合は平均1時間前後。完全手探りの場合は約30分〜2時間ほどで開くことが多いです。
今回は完全手探り解錠で約3時間半掛かりました。
ダイヤルの癖・錆・不具合などによっては更に時間が掛かる可能性もあるため、お時間に余裕を持って頂ますようお願い申し上げます。
対応エリア
基本的な出張対応エリアは千葉県|茨城県|埼玉県の一部ですが、業務用金庫のダイヤルには対応していない鍵屋様も多いため、出張費を頂戴できるのであればその他近郊もお伺いさせて頂きます。
出張費を加えても大手鍵屋様よりも格安で対応できる可能性が高いので、まずはお気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
尚、完全手探り解錠をご希望の場合、手探りで開けられない場合は出張場所に関係なく完全¥0円です。