イギリス製の家具の鍵を失くしたトラブル
こんにちは鍵屋KOロック「ケーオーロック」です☆
本日またしても作業車をぶつけてしまいました。お客様ごめんなさい…
知り合いの板金屋さんに聞いたら車を1週間は預けないととの返答で、預けるかこのまま乗るか悩んでいます。何か他に方法ないでしょうか。テンションだだ下がっております😔
さて今回は【イギリス製の家具】の鍵を紛失してしまったお客様からのご依頼で、解錠作業に出張してきましたのでその紹介です✍
鍵の形状はアニメや漫画に出てくるようなもので、細い棒の先端だけ膨らんでいるようなタイプです。
この棒鍵の場合、種類や鍵穴の大きさやによってはピッキングで開けられない可能性があります💦
もちろん解錠できなかった場合は完全¥0円とさせて頂きますが、開けられた場合は出張費や作業費を含めた総額¥○○円です。
簡単に上記の流れからご成約に。ありがとうございます(^^)
そんな今回の海外製家具がこちら。
※解錠後に撮影したため1番右側の扉が開いてしまっていますが、実際は3ヶ所に鍵穴があり全て施錠状態でした。
イギリス製の物らしいのですがとにかくお洒落!一体いくらするのでしょう😱
鍵穴「シリンダー」をアップしたものがこちら。
鍵穴はしゃもじ・けん玉・前方後円墳のような見た目をしており、アニメや絵本で出てくる【THE 鍵】ってやつです。棒鍵や管キーと呼ばれる種類なのですが、これいろんな国で使われています。
今回のイギリス含め、日本・イタリア・フランス等も年代物の家具は大抵この棒鍵タイプ。ちなみに帰宅して調べてみたところ棒鍵はイギリスが発祥のようです!(諸説あり👀)
ピッキングによる解錠作業
とりあえずピッキングする前に、鍵穴「シリンダー」内部がどんな感じの構造になっているかライトを当てて確認。
するとすぐに激むず案件と判明!その理由は鍵穴内部に棒状の突起があるから(TT)
鍵を開けるためにカムやタンブラーと呼ばれる部品を道具で押し込んでいくのですが、この棒状の突起があると隙間がもう引くほど無いのです。
特に今回は家具ということもあり元々大きくない鍵穴。棒状の周りの隙間は1mmしかありません。
でも来たからには簡単に帰れません。即席でピッキングできそうな道具を作り、ひたすらカムやタンブラーを目掛けてアタック!!
しかし全くの無反応。運良くカムだけでタンブラーが入っていなければと思いましたがしっかりタンブラーも入っていました(TT)
で、結果的にあれこれ試しまくるも開けることができずギブアップ!あと少しとかではなく完全に負けました☠️
もちろん費用は事前に案内させて頂いた通り完全¥0円。
しかしあまりにも悔しい思いをしたためお客様にとある提案。
次また来ても開けられなかったら大変申し訳ないのですが、私が連絡するまでに他の方法で開ける目処が経たなければ再度挑戦させて頂きたいです!
断られて当然でしたがお客様はこの提案を快く承諾!こうなったら何としても絶対に開けましょう!!
棒鍵を開ける解錠治具を作製
帰宅してからひたすらどうやったら開けれるのかイメージしましたが、実際に作業してみたことを踏まえてピッキングで開けれる気がしない。
ピッキング技術にはそれなりに自信を持っていますが、そもそもピッキングするための隙間が無いため技術うんぬんよりもやはり何か道具が必要と判断。
で、思いついたのが鍵を作って開ける作戦です!一応サイズを測らせて頂いていたのでサイズを元に図面を起こし、どういった物を作るか想像しホームセンターでお買い物🚙💨
パイプに穴開け&タップ切り
今回の棒鍵の1番の問題が鍵穴内部にある棒状の突起。ですがここは丸いパイプを使えば打破できそう!
ということでパイプの先端に1.5mmの穴を開け、その穴に2mmのタップを切ります。
タンブラー同士の間隔や何枚入っているかも分からないため、穴の開ける位置を複数パターン作ります。
ネジを締めて頭を飛ばす
お次は2mmのネジを締めるのですが、締めすぎると穴を貫通してしまうためちょうど良さげの位置でストップ。貫通すると鍵穴内部の棒状の突起が邪魔をしてコイツを挿せなくなります💦
ちょうど良い位置まできたらネジの頭をパツンと切断!嘘みたいですがこれで完成です👍
ピッチに合わせて複数パターンを作製
念のためにピッチを少しずらした複数パターンを準備!今回は合計3パターン作りました。
こんなんで本当に開くのか若干不安ですが、棒鍵の内部構造的にはいけるはず!早速お客様にいけるかもと連絡し、再度お伺いさせて頂きました🙇
仮キーを作製して解錠
2回目の現場到着後、ラッキーでこのまま開かないかなと準備した3パターンの解錠治具を試すが開かず。うむ、これは運頼みなので仕方ありません!
ここから先は今回の棒鍵にあった仮キー作製。仮のキーを作製し、最終的にその鍵を使って開けます。
ということで3パターンの内1番しっくりきた道具にネジをセットし、少しずつネジを短くカットして鍵穴に合わせていきます。どこのネジをどういう順でカットするか等の判断方法は企業秘密です🙇
※誰でも見れるページで全てを書いてしまうと防犯上の観点からまずいのでご理解ください。
モザイク加工してますが途中作業はこんな感じ。
その後もネジをカットしての調整を続けた結果、ついに『カチャッ!』と開きました\(^o^)/
今回のイギリス製の家具は1本の鍵で3ヶ所の鍵穴を開けれる同一タイプだったのですが、無事に3ヶ所とも仮キーで開けることに成功しました🙌
しゃー!!!1度ダメだったにも関わらず、再度チャンスを与えてくださったお客様に感謝です(^^)
あ、作製した仮キーですが、簡易的な作りで強度が高くないため何回かカチャカチャ開け閉めすると壊れちゃいます💦
お客様にお渡ししても閉めた状態で壊れるとまた開かなくなるため、開けるところまでの作業しかできません🙇
棒鍵の解錠に掛かる費用・時間と対応エリア
今回のイギリス家具含め、棒鍵/管キーの鍵開けに掛かる費用・時間・出張エリアは以下の通りです。今までは棒鍵の解錠費用を確定させていませんでしたが、今回で基本何でもいけると判断したため確定させました。
●解錠費用
総額¥1万5千円〜¥2万円+税(出張エリア・夜間早朝で費用に幅があるため、確定金額は電話にてお問い合わせ下さい。)
●作業時間
作業に掛かる時間は実際にやってみないと分かりません。10分程のピッキングで開くこともあれば数時間掛かることも。今回は2日間です。
●出張対応エリア
千葉県|茨城県|埼玉県の一部
※お伺いしても開けられなかった場合は出張場所に関係なく完全¥0円です。
棒鍵の解錠に対応している鍵屋さんは少ない
今回なんとかかんとか棒鍵の解錠に成功しましたが、棒鍵の解錠作業に対応している鍵屋さんは非常に少ないのが現状です。実際弊社にお問い合わせを頂くお客様の大半は別の鍵屋さんに作業を断られています。
対応しているとしても決まったメーカーのトライアウトキー(全パターンの鍵)で開けれるやつのみって鍵屋さんも多いです。
では何故対応している鍵屋さんが少ないのか!?
それは単純に棒鍵の解錠が厄介なのもありますが、棒鍵を開けれるようになるメリットがあまりにも少ないからだと思っています。
だって棒鍵・管キーのご依頼って非常にレアですもの💦昨今では本当に見掛けなくなりましたし、年に数回依頼があるかないかのために道具を購入したり、練習や研究をすることに対してメリットを見出せなくなるのはむしろ当然!
鍵穴のサイズはもちろん、タンブラー数や作り方も国・メーカー・型番によって当たり前に違いますし…
正直今回の案件も弊社が小さくて暇だから2回に渡ってお伺いできましたし、ホームセンターに行って道具を作ったりする時間がありました。
大手鍵屋さんの場合は売上になるかも分からない案件に2回も行くとなると上からキャンセルにせえ!と怒られることでしょう…
そんな訳で鍵屋KOロック「ケーオーロック」が棒鍵に対応している理由は小さい会社だし暇だから!!もありますが、単純に鍵が好きだからです😘
見たことない鍵があれば見たいし、開けたことない鍵があれば開けたいし、作ったことない鍵があれば作ってみたい!!
そう、つまりは猿ロックってことです🐵