こんにちは、出張専門鍵屋KOロック「ケーオーロック」です!
弊社はお客様からクレームを頂くことは非常に珍しいのですが、作業する前からクレームになることが分かっている案件が稀に入ります。
クレーム内容は『鍵を交換したのに泥棒に入られた』
同様のクレーム経験がある鍵屋さんも多いことでしょう。今回は【KOロックのリアル】第6弾!
少し重いお話です。
どんな対策をしても泥棒に入られるお客様
弊社のような出張対応を軸に活動している鍵屋にとっては「あるある案件」ですが、数年に1度、定期的に泥棒に入られているお客様に出会います。
そういったお客様の家は基本防犯対策がMAXレベル。玄関に鍵が3つ4つ付いていたり、室内ドアにも鍵を複数付けていたりされます。
昔ですが、引違い戸が縦に3つ付いている玄関も見たことがあります。
そういった方は窓ガラスも当たり前に防犯対策をしていますが、何故か定期的に泥棒に入られます。そして警察を呼びます。
また、『おたくで鍵交換をしたのに泥棒に入られた』とクレームが入ります。
被害が特殊
基本泥棒に入られた家は金品や金目のものを盗まれます。それによって家の中も荒らされます。
しかし、防犯対策MAXで頻繁に泥棒に入られている方は被害が特殊です。
実際に同条件のお客様から聞いた被害をいくつか記します。全てリアルです。
- 座布団をひっくり返される
- 充電コードの1ヶ所に傷を付けられる
- 時計の針を少し進められる
- 冷蔵庫の中の飲み物を少し飲まれる
- 財布の中のお札の向きを変えられる
- 鍵交換しても相手はいつもスペアキーを持っている
- 相手は最新技術を使えるため防犯カメラに映らない
- ドアの隙間から見えない神経ガスで攻撃してくる
これを見たあなたはどう感じましたか?違和感を覚えた方が大多数(99%)と思います。
しかし、残り1%の方は上記の内容を見て、『うちと同じだ!やっぱりそういう特殊な泥棒もいるんだ!ちゃんと気をつけなきゃ』となります。
統合失調症が原因
大多数の方は既に気付いたかと思いますが、実際泥棒は入っていません。
よって警察を呼んでも何ら事件性が無く、本格的な捜査が行われることはありません。むしろこういった方は頻繁に警察を呼ぶため、途中から出動すらしてくれなくなります。
ただ何故当人たちは『泥棒に入られた』と思い込むのか。
その原因は【統合失調症】の陽性症状にあります。
統合失調症とは精神疾患の1種で、陽性症状は幻覚や妄想がその人にとってのリアルとなってしまうもの。認知症が悪化させることもあります。
統合失調症の患者は日本に約80万人いると推定されています。
実際は泥棒が入っていないにも関わらず、当人たちは本当に泥棒に入られたと知覚して恐怖を覚えます。そしてその対策として、鍵を交換したり鍵を増設したりします。
1度私が出会った方ですが、鍵交換を通り越して引っ越しまでされたお客様もいました。そのお客様曰く、いくら鍵交換をしても家の中の配置を頻繁に変えられるそうです。
自分の意志では治せない
統合失調症を発症した場合、基本自分の意思では治せません。病院で処方された抗精神病薬を服用する必要があります。
また服用したとしても必ず治るといえません。昔は不治の病と言われていた程です。
初期段階であれば治ったり症状が大きく緩和するそうですが、重度になってしまうと完治は非常に難しいそうです。
詳しくは「統合失調症」で検索してください。
また統合失調症の怖いところは、基本当人では「統合失調症」だということに気付けないところ。
当人は自分の経験に基づき本気でそう思い込んでいます。よって家族などの周りから病気であることを告げられると、強く反発する方が非常に多いです。
自分で統合失調症だと気付き、病院に行って治療してもらおうと考えて行動する人は統合失調症では無い可能性が高いです。
周りのサポートが必要不可欠
自分では気付けないため、統合失調症の場合は周りのサポートが必要不可欠。
なのですが、統合失調症が酷くなると家族すらも疑い出します。
家族に泥棒が入ったと言ってもそんなはず無いと言われ、防犯を高めようと鍵交換したら家族に怒られる。
それが続くと家族に内緒で行動するようになり、やがて家族や警察ですら泥棒に加担している敵と位置づけるようになります。
私は過去に息子様から『母がしつこいので鍵交換して下さい』とご依頼頂き対応したことがあるのですが、現場でお母様と話して統合失調症の可能性が高いと判断。
よって非常に心苦しかったですが、息子様にお母様が統合失調症の可能性が高いこと、またできる限り早く病院に連れて行くことをお勧めしました。
本来は鍵屋である私が言うべきことではありません。しかしお母様を助けられるのはご家族様しかいないのです。
症状が進むと息子様も敵と認識されてしまいます。
弊社では2回目以降は基本対応しない
統合失調症の方は鍵交換を永遠に依頼します。
鍵を新品に交換→泥棒に入られたと思い込む→再度鍵を交換→また泥棒に入られたと思い込む→また鍵交換といった流れで、統合失調症の症状が治ったり緩和しない限り永遠に依頼をします。
鍵屋的には売上が上がる最強のお客様となりますが、弊社では基本的に2回目以降はお電話頂いても何かしらの理由を付けてお断りするようにしています。
理由は鍵交換をする必要が無いからです。
昔勤めていた会社では振られた案件を断れず、何度も何度も同じお客様宅の鍵交換をしました。この作業をしたことを私は後悔しています。
ちなみに、2回目以降は断ると言っても、お客様に直接『統合失調症のため受付できません』とは言いません。その方に伝えても解決しないからです。
「部品が廃盤になった・予約がいっぱい・私が入院して動けない」等の嘘を付きます。そしてお客様は私に対して怒り、また別の鍵屋さんを探して依頼を繰り返します。
当人は鍵交換をすることで一瞬の安らぎを覚えるため作業することが正解なのかもしれませんが、どうしても私はそれを肯定する気持ちになれません。
もちろんこれは私個人的な感覚なので、鍵交換を繰り返す鍵屋さんを非難するつもりは一切ありません。むしろ誰かがやらなきゃいけない仕事から私は逃げているのかもしれません。
障害や病気は恥ずかしくない
病気や障害を患うと恥ずかしいと思う方がいますが、私が中学生の時の理科の先生が言ってました。
『人は全員何かしらの障害がある。目が悪いのも運動神経が悪いのも覚えが悪いのも1種の障害。障害が無い人間はこの世にいない』と。
ちなみに私は普段コンタクトをしていますが、裸眼だと手を伸ばした指に付いている指輪も見えなくなります。足元なんて全く見えません。
先日も目を怪我して視力検査をしましたが、1番大きい【C=→】が見えないのは当たり前。看護師さんが【C】のパネルを持って1m前まで来ましたが一切見えませんでした。
万が一にでも眼鏡が外れて下に落ちたら探して拾うことも出来なくなるため、起きてから寝る瞬間までコンタクトをしています。いつかお金貯まったら手術したいです。
また軽いADHD(注意欠如多動症)とチック症も持ってます。
こんなたくさんの障害を持ってる私でも毎日それなりに楽しく生活してます!めっちゃ元気です!
統合失調症は私の視力と違い、治ることだってあります。
大切なご家族や友達を敵と思ってしまう前に、少しでも気になった方は一度病院へ行って下さい。治った方が絶対未来は楽しいですから!