こんにちは、出張専門鍵屋KOロック「ケーオーロック」です!
もっと集客用の作業事例を書かなきゃなのに、文字だけ投稿があまりにも楽すぎることに気付いてしまいました。
よって今回は【鍵屋KOロックのリアル】第5弾!今回は現場が修羅場と化しました。
至って普通の玄関解錠依頼
作業したのはもう何年も前。
マンションの鍵を紛失したため、玄関を開けて欲しいとご依頼を頂きました。至って普通の解錠依頼です。
ちなみにお客様はとても物腰の柔らかい男性で終始ニコニコ笑顔。お客様が優しいと、こちらもゆとりをもって作業に挑めるため非常にありがたいです。
鍵開け内容は以下の通り。
●現場の状況
- お客様宅はマンションの3F
- 鍵穴はMIWAのU9LAシリンダー
- ドアスコープあり
U9シリンダーを鍵穴から開けるのは非常に難しいため、ドアスコープから解錠する旨を説明。
作業内容や費用を承諾頂けたため、住所一致の確認が取れたら作業開始です。
身分証の住所が違う
お客様は免許証をお持ちでしたが、現場の住所と一致せず。
話を伺うと普段は免許証の住所に住んでおり、たまに仕事の関係でこっちのマンションに来るそうです。
ただここのマンションもお客様個人で賃貸契約しており、賃貸契約書も準備して下さっていました。確かにお客様の名前と完全一致。
これなら一切問題ありません。
鍵を開けたら修羅場
『お客様が名義人様という確認も取れましたし作業に取り掛かりますね』とお伝えし、専用工具でサクッと解錠。
で、鍵穴の方は問題なく開いたものの、何故かドアチェーンが掛かっておりドアが少ししか開きません。
ドアバーの場合は稀に緩んでいたり猫が飛び乗ってパタンと施錠することがあります。しかしドアチェーンは人為的な操作をしないと基本は施錠しません。
『え、お客様、中に誰かいるかもしれませんよ!』と言葉を発した瞬間、ニコニコ笑顔だったお客様が鬼の形相で僕の後ろに。
そんでもってお客様が服の中に隠し持っていた巨大なワイヤーカッター?(鉄を切断する用の大きいはさみ)を取り出し、『てめえこの野郎!ぶっ◯してやる!』と怒鳴り声を上げながら一瞬でドアチェーンを切断。
そのまま走って家の中に入っていきました。
私には何が起きているの分からず、ドアの前で1人ポツン状態。
すると間もなくして、今度は女性の悲鳴が。
『キャー助けてー』と。これはただ事ではない緊急事態!
本来は鍵を開けても家の中に入ることは絶対NG。しかし今回は明らかに人命に関わる緊急事態。勇気を出してこの家に入ることを決心します。
と、その時、急に玄関が開きました。と同時に裸足の若い女性が飛び出してきて、私の服を掴み私の背中側に回り込みました。
そして震えながら私に『どうか助けてください』と言いました。
怒り狂うお客様と対峙
すぐに怒り狂ったお客様が追いかけてきて、ワイヤーカッターを振り上げながら私に言います。
『そこをどけ。あんたには関係ない。あんたに危害を加えるつもりもない。今すぐ後ろの女を差し出せ』と。
リアル「猿ロック」の世界線です。
とかどうでも良く、ワイヤーカッターを振り上げながら少しずつ私に近づくお客様。これリアルにやられるとめっちゃ怖いのですね。嫌な経験。
こういう時はなんて言うのが正解なのか。どうすれば怒りを僅かでも落ち着かせることができるのか。とか考えたくても考える時間がありません。
とその時、私の背中に隠れていた女性が『トンッ』と私を前に押し出し、『助けてー!警察呼んでー!』と悲鳴を上げながらものすごい勢いで階段を走り下りていきます。
こっち側からしたら困るけど女性側からしたら多分この行動が正解。私を利用するとはしっかりしてやがるぜ。
怒り狂うお客様と静止する私
お客様もすぐに追いかけようとしますが、すかさず止めに掛かります。
『お客様!もう手遅れです。女性が大声で助けを求め逃げています。これから人がどんどん集まります。この状況でそんな物を持って女性を追いかけてるのを見られたら、お客様の今後を大きく左右します。私が話を聞きますのでどうか落ち着いてください』と。
正直テンパっていてこんなスラスラ言えなかったと思いますが、何か言わなきゃと必死でした。
お客様は少しずつ落ち着きを取り戻し、『まあ正直あいつはもうどうでも良いんだ。もう1人の男は本気で◯ろうと思ってたけど、俺を見た瞬間ベランダから裸足で飛び降りて逃げて行きやがった。ここ3階なのにすごいよね。』と。
人ってそんなこと出来るの?足の骨大丈夫なのでしょうか。
そのまま今回の状況になった経緯を聞きましたが、要約すると浮気現場に突入したって感じです。
とか話していたら、すぐに警察官が駆けつけてきました。さっきの悲鳴を聞いて誰かが通報したのでしょう。
さすが日本の警察は来るのが早いです!
鍵屋では防げない案件がある
今回私が鍵を開けたことで修羅場となったわけですが、実際に現場の賃貸契約していたのは怒り狂ったお客様。
よって鍵屋側としては、今回のケースを察知できていない限り【開けない】という選択肢がありません。法的にも一切の問題が無いわけですし。
ただ察知できなかったのは私の責任。お客様が服の中に隠し持っていたワイヤーカッターも見抜けませんでした。
また【開けない】と言うにはそれなりの説明をお客様に求められるわけですが、恐らく何と言っても納得することは無くクレームになることでしょう。でもその決断が時には必要なのです。
鍵屋って難しい…
『あ、そういや完全忘れてた!お客様!お会計!』